No.032 共感の図書館

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概要

《共感の図書館》は、
モラリア王国南部にある静かな図書館。

館内には旅人たちが旅の途中で書き残した膨大な手記が保管されている。

ここには攻略本も、正解も存在しない。

あるのは、
「私はこう感じた。」
「私はこうして塔を降りた。」

という、一人ひとりの記録だけである。

そのため、同じ本を読んでも、受け取るものは旅人によって異なる。

よく聞こえる声

「それは大変でしたね。」
「あなたはどう思いましたか。」
「同じ旅ではありません。」
「答えは本棚の中ではなく、旅人の中にあります。」
「焦らなくても大丈夫です。」
「少し休んでいきませんか。」
「似た旅をした方の記録ならあります。」

観察結果

《共感の図書館》では、不思議なことに誰も旅人へ指示を出さない。

司書は、
「こうするべきです。」
とは決して言わない。

代わりに、
「似た旅をした人の記録はこちらです。」
と、一冊の本を差し出す。

旅人は本を読み、
泣き、
笑い、
ページを閉じる。

そして自分の答えは、自分で決める。

図書館が渡すのは結論ではない。
「一人ではなかった」という事実である。

主な蔵書

『私は3階で引き返した』
『5階から降りる方法』
『説明をやめた日』
『通行証を返却するまで』
『違和感センサーは壊れていなかった』
『一笑解呪の習得記』
『転移床の向こう側』
『それでも私は帰ってきた』

主な効果

《自己否定》の自然回復。

《説明疲労》の軽減。

《違和感センサー》の再調整。

《解呪の灯火》の火力上昇。

《一笑解呪》の習得率上昇。

利用上の注意

ここで本を読んだからといって、
すぐに塔を降りられるわけではない。
読むだけでは人生は変わらない。

しかし、
「自分だけではなかった。」
と知ることは、
次の一歩を踏み出す大きな力となる。

攻略メモ

館内では議論は禁止されている。
他人の旅を評価することも、正しさを競うこともない。

泣いてもよい。
途中で読むのをやめてもよい。
眠ってしまってもよい。

司書は何も言わない。
ただ、帰る旅人へ一枚の栞を渡してくれる。
そこには、たった一行だけ書かれている。
「あなたの旅も、いつか誰かの地図になる。」

関連項目

地図メモ

《共感の図書館》は《静寂の森》の入口近くに建っている。

王都からも訪れることはできるが、
《常識信仰の霧》が濃い日は道が見えなくなることがある。

旅人たちの間では、こんな噂が語られている。

「あの図書館の本は、誰が書いているんだろう。」

古い本をよく見ると、
最後のページには決まってこう記されている。
「次の旅人へ。」

そして、司書は帰る旅人にだけ、静かにこう告げる。
「読み終えたら、あなたの本も一冊置いていきませんか。」

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