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概要
《モラリア城》は、モラリア王国の中央に建つ巨大な城。
王都を見下ろす丘の上に建ち、政治や法律、文化の中心地として長い歴史を持つ。
住民の多くは、この城に王が住み、国を治めていると信じている。
しかし実際に王座の間を訪れた旅人は、皆ある奇妙な事実を記録している。
王座には、誰も座っていなかった。
よく聞かれる言葉
「昔からそうです。」
「これがモラリアの常識です。」
「みんなそうしています。」
「王がお決めになったことです。」
「伝統です。」
「疑う必要はありません。」
「それが普通です。」
観察結果
《モラリア城》には、王を名乗る者は存在しない。
それにもかかわらず、王国の秩序は保たれ続けている。
旅人が不思議に思い神官へ尋ねると、
神官は静かに答える。
「王は一人ではありません。」
「この国では、誰もが少しずつ王なのです。」
住民一人ひとりが、
「普通。」
「常識。」
「世間体。」
という価値観を守り、他者へ伝え続けることで、
王は不在のまま王国だけが動き続けている。
つまり、この国を支配しているのは特定の誰かではない。
誰もが少しずつ支配者であり、少しずつ支配されてもいる。
城内施設
王座の間
巨大な玉座が置かれている。
しかし、そこへ座る者はいない。
王冠だけが静かに置かれ続けている。
記録の間
歴代の「常識」が書物として保管されている。
内容は時代によって変化しているにもかかわらず、
住民はいつの時代も
「昔から変わらない。」
と言い続けている。
謁見の間
旅人が
「これは本当に正しいのでしょうか。」
と尋ねる場所。
しかし返ってくる答えは、
「それが普通です。」
だけである。
主な役割
王都全体へ価値観を発信すること。
《常識信仰の霧》を維持すること。
住民へ「普通」を配布すること。
王がいるという安心感を与えること。
実際には誰も命令していないことを隠すこと。
攻略メモ
《モラリア城》にはラスボスはいない。
倒すべき王もいない。
旅人が最後に戦う相手は、
王ではなく、
「誰かが決めたのだろう」と思い込んでいた自分の認識である。
王座が空席だと知った瞬間、
旅人は初めて理解する。
この国を動かしていたのは、
命令ではなく、
人々が受け継ぎ続けた価値観だったことを。
関連項目
地図メモ
《モラリア城》は王都の中心、小高い丘の上に建つ。
その姿は王国中どこからでも見えるため、多くの住民は
「きっと王様が見守ってくださっている。」
と信じている。
しかし実際に城を訪れた旅人だけが知っている。
王座には誰もいない。
誰も命令していない。
それでも国は動き続ける。
旅人は帰り際、もう一度だけ玉座を振り返る。
そこには王冠だけが静かに置かれ、
まるで次の王を待っているようだった。
玉座の裏へ回ると、古びた石壁に小さな文字が刻まれていた。
「どうか、あの王冠を被ろうと思わないで。」
その下には、さらに誰かが後から書き足したような文字。
「誰かの人生を支配した瞬間、あなたもまた、この国の王になる。」
旅人が世界に託したひとしずくの力が、小瓶となりモラリアの地に届く。
量は問われない。小瓶はそっと物語の糧となり、時折、住人へ不思議な変化をもたらす。