分類:アイテム
概要
《都合のいい記憶帳》は、
過去の出来事を現在の都合に合わせて自動編集する特殊な記録媒体。
一度書かれた内容であっても、
「自分は悪くなかった」
「そんなことは言っていない」
「むしろ相手がそうした」
など、現在の認識と矛盾が生じると、記述が静かに書き換えられる。
特徴的なのは、使用者自身にも改変の自覚がほとんどないこと。
書き換え後の内容を「最初からそうだった」と認識するため、
本人にとっては嘘をついている感覚すらない場合がある。
よく見られるセリフ
「そんなこと言ってない。」
「そんな意味で言ったんじゃない。」
「前からそう言ってたよ。」
「そっちがそうしたんでしょ。」
「俺はちゃんとやってた。」
「そんな昔のこと覚えてない。」
「話を変えてるのはそっちじゃない?」
観察結果
《都合のいい記憶帳》では、過去そのものが完全に消去されるわけではない。
むしろ特徴的なのは、
現在の自己認識と整合するように過去の意味づけが変更されることである。
たとえば、
「自分が怒鳴った」という記録が、
「相手が話を聞かなかったので強く説明した」
へ変化する。
さらに時間が経過すると、
「何度説明しても理解しない相手に、自分は根気よく向き合っていた」
まで編集されることもある。
こうして事実の骨格を少しずつ変更することで、
使用者の中では矛盾のない物語が完成する。
なお、外部に残された記録との照合により、改変が発覚する例が多い。
得意なこと
- 自分に不利な記憶の再編集
- 発言の意味変更
- 責任の所在変更
- 加害行為の正当化
- 自分を「努力した側」として保存すること
- 過去と現在の矛盾を本人だけ感じなくすること
苦手なこと
- 日付入りの記録
- メールやメッセージの履歴
- 録音
- 第三者の証言
- 時系列整理
- 《真理の剣》
特に複数の記録媒体を照合されると、編集機能が著しく低下する。
発動条件
自分にとって不都合な事実と向き合う必要が生じた際に、自動発動する。
《自己正当化バリア》発動中は編集速度が上昇する。
また、《世界は俺中心ベルト》との併用時には、
「自分がそう認識しているのだから、それが事実である」
という特殊効果が付与されることがある。
攻略メモ
このアイテムとの議論で最も消耗しやすいのは、
記憶と記憶をぶつけて決着をつけようとすることである。
使用者本人が改変後の記憶を信じている場合、
「言った」
「言ってない」
という応酬を続けても、共通の事実認識には到達しにくい。
重要な出来事については、記憶ではなく記録を残しておくこと。
また、相手に過去を認めさせることよりも、
「現在、何が起きているか」
「今後どうするか」
へ焦点を移した方が有効な場合も多い。
《真理の剣》による事実と解釈の切り分けも有効。
関連項目
- 防御魔法《自己正当化バリア》
- 装備《世界は俺中心ベルト》
- 武器《真理の剣》
- アイテム《違和感センサー》
- 状態異常《自己否定》
地図メモ
《忘却の渓谷》では編集機能が強化される。
長期間滞在すると、旅人側にも
「私の記憶の方が間違っているのかもしれない」
という混乱が生じることがある。
一方、
《共感の図書館》では過去の記録を整理しやすく、
《静寂の森》では他者の解釈から離れて自身の記憶を確認しやすい。
記憶は曖昧である。
だからこそ、都合よく書き換えられた物語より、残された記録の方が旅人を助けることがある。
旅人が世界に託したひとしずくの力が、小瓶となりモラリアの地に届く。
量は問われない。小瓶はそっと物語の糧となり、時折、住人へ不思議な変化をもたらす。

