まず大前提
家庭は何を生産しているのか?
工場みたいにモノを作ってるわけじゃないけど、家庭はずっと
- 生活の継続
- 子どもの安全
- 健康
- 情緒の安定
- 明日の稼働
を生産してます。
つまり製品は
「今日も家族がそこそこ元気に生き延びた状態」
です。地味。でもめちゃくちゃ大事。
用語対応表
生産計画
工場でいう「いつ何をどれだけ作るか」。
家庭でいうと、
- 誰が何時に起きるか
- 保育園・幼稚園送迎
- 食事の準備
- 風呂
- 寝かしつけ
- 通院
- 翌日の準備
です。
要するに
一日の段取り表。
これが崩れると全工程に波及します。
朝の5分遅れが、夜の機嫌悪化まで響く。
家庭こわい。
原材料
工場でいう部品や材料。
家庭では、
- 食材
- おむつ
- 洗剤
- ティッシュ
- 着替え
- 体力
- 気力
- 親の睡眠
です。
ここで大事なのが、親のHPも原材料だということ。
これを無限資源扱いすると家庭は燃えます。
在庫管理
多すぎても少なすぎても困るやつ。
家庭では、
- おむつ残数
- 冷凍食品
- 常備薬
- 着替え
- 保育園ストック
- 子どもの機嫌
- 貯金
- 親の余力
です。
特に
冷凍うどん・レトルト・アンパンマン系軽食
は完全に安全在庫。
在庫をケチる思想の人は、たいてい現場を知らない。
はい、今頭に浮かんだその人のことですね。
ライン停止
工場でいう、機械止まって全体が止まるやつ。
家庭では、
- 子ども発熱
- 親の体調不良
- 保育園から呼び出し
- 老親の体調トラブル
- 夫の不機嫌暴発
- 洗濯機故障
です。
この中で厄介なのは、
夫の不機嫌 が設備故障じゃなくて 人的トラブル なこと。
しかも再発率が高い。
ボトルネック
全体を詰まらせてる一番細い部分。
家庭ではだいたい
- 朝の支度
- 夕方の迎え〜夕飯〜風呂
- 寝かしつけ
- 子ども複数人同時対応
- ワンオペ時の親の片腕不足
あたりです。
ここに金を使うのは正しい。
食洗機、
ドラム式洗濯機、
電動自転車、
冷食、
ネットスーパーは
ボトルネック改善投資 です。
ぜいたくではない。工程改善です。
工程改善
ムダを減らして回しやすくすること。
家庭なら、
- 朝ごはん固定化
- 服の定位置を作る
- お風呂後動線を短くする
- まとめ買い
- 便利家電導入
- 園グッズを一箇所に集約
- 夕飯の省力化
です。
ここで
「手でやればいい」
「今あるもので我慢しろ」
を言う人は、改善を嫌う昭和工場長です。
現場が疲弊するだけ。
品質管理
不良品を流出させないこと。
家庭では、
- 誤薬しない
- 熱あるのに無理させない
- 変な価値観を子どもに流さない
- 怒鳴りを常態化させない
- 食事や睡眠の質を保つ
です。
つまり
家庭の品質 = 安全と安心。
ここに継続的に不良を出す人、たとえば
- 不機嫌を撒く
- 子どもを威圧する
- 母親を無視する
- 家の空気を悪化させる
こういう人は、家庭における重大不良発生源です。
歩留まり
作ったもののうち、ちゃんと使える割合。
家庭では、
- 作ったご飯がちゃんと食べられるか
- 準備した登園が成立するか
- 声かけが逆効果になってないか
- 手間かけたのに余計揉めてないか
です。
例えば
高い手間をかけたのに、夫が不機嫌で全部台無し
なら歩留まり最悪。
家庭で歩留まりを下げる人は害です。
稼働率
人や設備がどれだけ動いてるか。
家庭では、
- 親が何時間フル稼働してるか
- 子ども対応で隙間ゼロか
- 家事育児労働が常時100%か
です。
ここで重要なのは、
家庭は稼働率100%を目指すと壊れる
ことです。
余白が必要。
親の休憩、ぼーっとする時間、
ひとりの時間はサボりではなく 保守点検 です。
設備保全
機械を壊れないように維持すること。
家庭での設備は、
- 親の身体
- メンタル
- 家電
- 車
- 住環境
です。
母親を保全しない家庭は、主力設備を酷使して壊してる工場です。
そんな工場はそのうち止まります。
そしてだいたい止まった時に
「なんで急に?」とか言う。
急じゃない。
外注
内製せず外に任せること。
家庭では、
- 惣菜
- 冷食
- ネットスーパー
- 家事代行
- 病児保育
- 宅配
- 実家支援
です。
これを手抜き と呼ぶ人は、原価計算ができてない。
外注は悪ではない。
内部リソースで回せないなら外に出す のは経営の基本。
安全管理
事故を起こさないこと。
家庭では、
- 子どもの転落防止/誤飲防止/窒息防止
- 感染持ち込み防止
- DV・威圧・暴言の排除
です。
ここで怖いのは、
物理的危険だけでなく、情緒的危険も事故だということ。
家でビクビクする、顔色をうかがう、威圧を学習する。
これも家庭内災害です。
ヒヤリハット
事故にならなかったけど危なかった事例。
家庭では、
- 赤ちゃんが上の子の体の上で寝てた
- 子どもが階段でヒヤッ
- 熱ある親族が家をウロウロ
- 夫がキレそうで避難した
- 誤薬未遂
- 発熱前兆
です。
ヒヤリハットを無視する家庭は、そのうち本事故が来ます。
でも忙しいと「まあいっか」で流しがち。
だめ。
不良在庫
置いてあるだけで場所を取り、金も食い、価値を生まないもの。
かなり言いづらいですが、家庭文脈でいえば
- 使わないのに場所だけ取るモノ
- 期限切れストック
そして時に
いるだけでコストを生む戦力外の大人です。
つまり、世間で言うところの
産んでない長男。
まさにこれ。
損益分岐点
ここを超えると存在価値が出るライン。
家庭でのある大人の損益分岐点は、
- 稼ぎ
- 家事貢献
- 育児貢献
- 情緒安定
- 問題発生率
- 管理コスト
で決まります。
収入だけで黒字にはならない。
年収がそこそこあっても、
- 家事しない
- 育児しない
- 機嫌悪い
- 子どもに悪影響
- 妻の稼働を下げる
なら、総合では赤字ありえます。
つまりは生み出す労力も考える
という話の本丸です。
我が家のケースを生産管理で言うと
低〜中程度の売上しかないのに、
維持費と不良率が高く、
現場ストレスも大きいユニットを切り離した
感じです。
離婚を感情だけでなく構造で見ると、
- 人的トラブル源の除去
- 子どもへの不良影響低減
- 母設備の保全
- 実家支援ラインへの接続
- 安全性向上
- 稼働安定化
なんですよね。
逆に「良い夫」を生産管理で言うと
良い夫は高収入だけじゃなくて、
- 急なトラブルに強い
- 家庭運営ボトルネックを理解する
- 外注や設備投資に理解がある
- 不良を出さない
- 現場を疲弊させない
- 余白を作る
- 情報共有ができる
つまり
現場理解のある共同管理者です。
これがいないと、母親一人で全部の工程管理をやる羽目になる。
まとめると
家庭運営を生産管理で見ると、
• 愛がない
ではなく
• 愛だけでは回らない
が見えてきます。
そして、
- 便利家電に金を使う
- 変な大人を家庭に入れない
- 子どもの安全を優先する
- 母親のHPを守る
- 家庭の空気を乱す人を切る
ということになります。
家庭は情緒で動いてるようで、実際はかなり工程管理
なんですよね。
家庭を工場にしたいわけではありません。
むしろ逆です。
家族が安心して笑って暮らすためには、
誰か一人を酷使しないこと。
無理な工程を減らすこと。
危険源を放置しないこと。
必要なところにちゃんと資源を使うこと。
そうやって現場を整えた先に、ようやく「情緒」が残る。
愛だけで回せないからこそ、仕組みがいる。
家庭は、気合いではなく運用です。
旅人が世界に託したひとしずくの力が、小瓶となりモラリアの地に届く。
量は問われない。小瓶はそっと物語の糧となり、時折、住人へ不思議な変化をもたらす。
