分類:回復魔法
概要
《代償の過食》は、強いストレスや疲労を受けた際に発動する代償型の支援魔法。
食物から短時間で大量の慰撫効果を獲得し、一時的に精神力や体力を回復させる。
即効性に優れ、難しい詠唱や特別な道具も必要としないため、モラリア全域で広く使用されている。
しかし、発動を繰り返すことで身体には少しずつ代償が蓄積する。
代表的な副作用として、
- 俊敏性の低下
- 身体負荷の増加
- 食後の倦怠感
- 「またやってしまった」という追加ダメージ
などが確認されている。
目の前のHPは回復する。
未来のHPについては知らない。
そんな割り切りのよい魔法である。
よく見られるセリフ
- 「今日はもういい」
- 「これくらい食べないとやってられない」
- 「自分へのご褒美」
- 「明日から戻せばいい」
- 「今だけだから」
- 「甘いものくらい好きに食べさせて」
- 「食べてる時だけは幸せ」
なお、「今だけ」の有効期限は術者によって大きく異なる。
観察結果
《代償の過食》は、単純な意思の弱さによって発動する魔法ではない。
食事には本来、
- 空腹を満たす
- 快感を得る
- 気持ちを切り替える
- 安心する
- 一時的に嫌なことから意識を逸らす
といった複数の回復効果がある。
そのため、他の回復手段が不足している環境では、食物が非常に優秀な即時回復アイテムとして機能する。
問題は、
本来なら休息・安全・相談・環境改善などで回復すべきダメージまで、食事だけで処理し続けること
にある。
ストレス源が残ったままなので、HPが減るたびに同じ魔法を再使用することになる。
結果、
ダメージを受ける
↓
食べて回復する
↓
一時的に楽になる
↓
原因は残る
↓
またダメージを受ける
という高効率ループが完成する。
術者から見ると回復魔法だが、長期ログを見ると運営側が若干首をかしげる仕様となっている。
得意なこと
今すぐ気分を変えること。
《代償の過食》は、
- 予約不要
- 他人の協力不要
- 説明不要
- 自宅でも使用可能
- 効果発現が速い
という驚異的な利便性を持つ。
特に、
「もう今日は何も考えたくない」
状態における即時回復性能は高い。
複雑な問題解決を要求しない点も魅力であり、疲弊した旅人ほど使用しやすい。
苦手なこと
ストレスの発生源そのものを除去すること。
この魔法で回復するのは、主として現在感じている不快感である。
したがって、
- 過重な負担
- 人間関係
- 睡眠不足
- 不安
- 孤独
- 慢性的な緊張
などが原因であっても、それ自体は何ひとつ変更されない。
さらに発動後、
「こんな自分はだめだ」
という自己攻撃が追加されると、回復したはずの精神力が再び減少し、《代償の過食》の再詠唱条件が整うことがある。
非常によくできた永久機関である。よくできてはいけない。
発動条件
以下の状況で発動率が上昇する。
- 強いストレスを受けた
- 疲労している
- 睡眠不足
- 一人になった
- 緊張状態から解放された
- 他の楽しみや回復手段が少ない
- 食物による慰撫効果を過去に学習している
特に、
「今日はつらかったから何か食べたい」
という感覚と結びついた場合、自動詠唱型へ移行することがある。
攻略メモ
《代償の過食》を封印することだけを目標にすると、攻略に失敗しやすい。
この魔法には実際に、
ストレスから短時間だけ離れる
という役割があるためである。
したがって攻略時には、
「食べるな」
ではなく、
「この魔法はいったい何のダメージを回復しているのか」
を確認する方が有効。
休息、睡眠、娯楽、人との交流、安心できる時間、環境調整など、別系統の回復魔法が利用可能になると発動頻度が下がる場合がある。
また、一度の発動を人格評価に変換すると逆効果になることもある。
魔法の使用履歴と、旅人本人の価値は別物である。
関連項目
地図メモ
モラリア全域で確認される。
特定のジョブに限定されず、過酷な環境に長期間滞在する旅人ほど発動率が上昇する傾向がある。
食物そのものには呪術性はなく、通常の食事や楽しみとして使用する限り問題はない。
《代償の過食》として分類されるのは、
「食べたいから食べる」よりも、「つらさを処理するために食べる」
という役割が強くなった場合である。
旅人が世界に託したひとしずくの力が、小瓶となりモラリアの地に届く。
量は問われない。小瓶はそっと物語の糧となり、時折、住人へ不思議な変化をもたらす。
