唐突な問い
長男がぽつりと聞いてきた。

長男
ねぇ、お友達のところは、
お父さんもいるけど…

長男
ウチにはいないの?
その声は、悲しみでも怒りでもなく、
ただ真っ直ぐな疑問だった。
答えに詰まる
どう答えるのが正解なのか、わからなかった。
嘘はつきたくない。
でも、大人の事情をそのままぶつけるには、
子どもには荷が重すぎる。
少し考えて、私はこう答えた。

わたし
今は、ママと暖(弟)と3人で暮らしてるよ。
家族だよ。
子どもの答え
長男は少し考えてから、にこっと笑って言った。

長男
じゃあ、僕がお父さんの代わりになるね
涙が出そうだった。
まだ小さいのに、気を遣わせてしまったこと。
でも、そんなふうに思ってくれたこと。
あなたが生まれてきてくれて、本当にありがとう。
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