名前の重さ
離婚届を提出してしばらく後、
役所から届いた書類に、
はっきりと書かれていた母子家庭の文字
書面にそう明記された瞬間、
自分が何かの枠に収められたような気がした。
言葉の重さに、少しだけ息が詰まった。
イメージと実態
私は特別変わった母ではないと思っていた。
朝ごはんを作り、
保育園に送り、
仕事をして、
買い物して、
寝かしつけのあと、洗濯物を干す。
日々はただの母親として流れていた。
けれど、母子家庭と名乗った途端に、
世の中の目が微妙に変わるような気がした。
たぶん私自身が一番、それを気にしていた。
肩書より中身
でも、思い出した。
離婚前、子どもが私に言った言葉。

長男
ママ、いつも一緒でうれしい
家族のかたちは変わった。
けれど、
子どもにとって私は
お母さんであることに変わりない。
母子家庭は、ラベルじゃなくて、ただの現実。
背負うものではなく、歩く土台。
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