【第53話】正しい妻を演じなくてもいい

かつての私は「正しい妻」を必死に演じていた。

でも、その役割を続けるほど、
自分が消えていった気がする。

いい妻の仮面

家事は完璧に、子どもの前では笑顔で、夫には逆らわない。

そうすれば家庭はうまくいくと信じて、私は「いい妻」の仮面をかぶり続けていた。

でもその役割は、私をすり減らすだけだった。

笑いたくても笑えず、泣きたいときも泣けなかった。

誰のための役割だった?

「正しい妻」でいれば、
夫のためになると思っていた。

でも、実際には誰のためにもなっていなかった。

子どものためでもなく、夫のためでもなく、
ただ“世間の目”を気にして、自分を犠牲にしていただけ。

妻である前に、ひとりの人間

あの頃の私は、“私の人生”を生きていなかった。

妻である前に、私は一人の人間。

私の心を守れるのは、私しかいない。

そう思えるようになった今、
やっと自分を取り戻せた気がする。

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