【第52話】よそゆきの顔、ほんとうの顔

思わぬ来客

義母が家に来た。

義母
義母

まぁ、綺麗にしてるわね。あんまり頑張らなくていいのに

そう言いながら、上がっていく。

お茶を出せば、

義母
義母

そんな丁寧にしなくていいのよ〜

ケーキを出せば、

義母
義母

皿なんて。紙のままでいいのに、気を遣わないで

気遣いと距離

義母は、私の丁寧な対応を「よそよそしい」と感じているような。

本当に居心地が悪いのか、
建前なのかは分からない。

フレンドリーすぎて失礼になるよりはいいと思っていた。

気を遣ってるのは、私だけじゃない。

義母だって、
私の「よそゆきの顔」に合わせて、よそゆきの顔で来ている。

お互いの本音なんて、どこにも置けない

けれど、
もう私は「誰かに好かれる嫁」を目指してない。

「子どもの母」として、
大人の女として、
自分の心を守れる人間でいたい。

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