【第57話】すでに”ひとり”で立っていた

“ひとり親”になる覚悟

わたし
わたし

離婚したら生活どうするの?

わたし
わたし

子どもが小さいのに大丈夫?

言われなくても、何度も自分で問いかけた。

夫がいなくなれば、
経済的にも精神的にも、自分がすべて引き受けるしかない。

だけど、すでに気づいてしまっていた。

“夫がいるのに孤独”で、
“夫がいるのに頼れない”日々を。

だったら、あの人には頼らずやってみせる。

もう、怖さに支配されない。

失うことの中に自由があった

確かに最初は大変だった。

子どもを連れて出かけるにも、手続きにも、全部ひとり。

夜、泣いてる子を抱いて、こっそり自分も泣いた日もある。

でも、それと引き換えに得たものがある。

無視されることのない朝。

文句を言われない食卓。

家の中の空気が、息苦しくない。

“家庭”という言葉に、自分を押し込めていたあの頃より、

いまのほうが、ずっと自由だ。

誰かの不安に、灯りをともせたら

わたしは特別強いわけじゃない。

泣いたし、迷ったし、逃げ出したくもなった。

でも、たどり着けた。

小さな幸せがちゃんとある日々に。

これを読んでる誰かが、

「自分も大丈夫かもしれない」って思えたら。

それが、わたしの進んだ意味になる。

“ひとり”って、孤独じゃない。

自分で選んで立つこと、それはきっと誇りだ


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10月15日 午前6時更新

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