“普通の家族”に見えていた景色
周りと同じように、
結婚して、
子どもが生まれて、
家を買った。
近所の人からは
「幸せそうなご家庭ね」
なんて言われていた。
でもその言葉に、いつも少し傷ついていた。

わたし
幸せに見せるのが、
うまくなっただけなんだけどな
って。
本当に幸せだったら、
こんなに気を張って暮らしてない。
人と同じルートをなぞることが
「正解」だと信じていたあの頃。
まさか、離婚を選ぶなんて、思ってもみなかった。
“外れること”が怖かった理由
誰か
母子家庭なんて子どもがかわいそう
誰か
離婚なんて世間体が悪い
無意識に、そんな“声”を内側に持っていた。
でも、本当にそう?
家の中で父親が大声を出し、
母が顔色をうかがっているのを見て育つ子が幸せ?
「両親そろってるだけ」の家庭に、意味はある?
息子が小さな声で言った。

長男
きょうは、おうち、しずかで、いいね
その瞬間、すべてが決まった。

わたし
“普通”じゃなくても、“平和”ならそれでいい
って。
“わたしの選んだ家庭”を、生きていく
周囲にどう思われても、
わたしはこの子たちと生きていく。
逃げたんじゃない。選んだんだ。
笑って暮らす未来を、勇気を出して取りに行っただけ。
母子家庭。
そう呼ばれるのも、もう怖くない。
わたしたちの“新しい普通”が、
ここから始まるだけ。
次のお話はこちら
10月13日 午前6時更新

